娘が大学生になりました vol.2

受験
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続きです。

娘が泣きながら言ったことは「今日まで一生懸命やってきたつもりだけど、まだ頑張れたんじゃないかって今更だけど思っちゃう」

1月後半辺りから高校は行っても行かなくてもいいみたいな感じになっていて、
家が遠いのでレッスンがある日以外はずっと家にいました。
毎日欠かさず、起きぬけの朝演奏を続ける中、試験日が近づくと、気持ちが影響して、その朝演奏にも微妙な変化はありました。

取れていた高音域を外す確率が増えたり、
音色の張りがモヤッとしたり。
聴いてないふり、気付いてないふりはするんですが、私、とても敏感なんです。

中学の頃はそうやってある日を境にどんどん弾けなくなったから、そうなったらどうしようと恐怖を覚えますが、それを回避していけるだけの経験は積んできたはず。

私と同じで敏感な娘が、自分の微妙な変化に気付いていないはずはなく、
だけど、大抵の日は朝演奏を終えて出てくると、ケロッとしていて、
どう思っているんだろうなと思いつつも、本人が取り繕っているなら、私もそのほうがいいと思いました。
危ういながらも流されないようにコントロール出来る事は充分すごいのです。

1日に何度も聞く防音室扉を閉める音が、ギュッと胸を締めつけ、その後すぐ聴こえるチューニングの音が切なく思う。
その感情が答えで、娘の精神を思えば、精一杯だったと言える。
どれだけ有能なお母さんであっても、不安を取り除いてあげることは出来ないと思うので、
なら、私には到底無理な話だと思いながら、
「あなたの夢だから、希望が叶ったら私も嬉しいけど、地元に通ってもきっと楽しいからそれも嬉しいよ」と伝えました。

翌朝の練習では、あまり調子はよくなさそうで、もうここまできたら少しでも気分をあげるしかないと、
「7割弾ければ充分って言うでしょう?今外した音、本番で全部外しても7割だよ。今くらい弾ければ良いんじゃない?」
はっきり言って充分なんかじゃないですが、
“取れたはずなのに”という気持ちが邪魔をして取れなくなるのは事実なのです。
そして、こんな大事な本番で納得いく演奏が出来るはずないのも事実。

少しだけ気が楽になったのか、
「ママってすごいな、さっき取れなかったのに音程取れるようになった」
私は役にたったようです。

このままの調子で試験を受けれたらどれだけ良かったでしょうか。

続きはvol.3へ。

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